大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)2135 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人青戸辰午の上告趣意について。

しかし、第一審裁判所はその第二回公判廷にAを召喚し、検察官及び弁護人は交

互尋問の方法で証人尋問を行い、被告人も同証人に対して尋問していることが記録

上明白であるから、第一審裁判所は被告人に同証人を尋問する機会を与えないで、

検察事務官に対する同証人の第一回供述調書及び裁判官の同証人尋問調書を証拠と

したと前提して、被告人を懲役三年の実刑に処した第一審判決を目して憲法三七条

二項に違反するとの論旨はその前提たる事実を欠きとるをえない。また、第一審第

三回公判廷において、検察官は前記各調書の取調を請求し、裁判所は弁護人の意見

をきいた上、右各調書の証拠調を適法になしたことが記録上認められるのであるか

ら、裁判所は右各調書を証拠とすることができる筋合であるといわなければならぬ。

従つて右各調書を証拠として判示事実を認定したからといつて第一審判決並びにこ

れを是認した原判決にはいささかの違法もないし、記録を精査しても刑訴四一一条

を適用して原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものとも認められない。

よつて刑訴四一四条三八六条一項三号に従い裁判官全員一致で主文のとおり決定

する。

昭和二六年六月七日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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